楷書と行書の違い|ペン習字はどちらから練習するといい?

楷書と行書の違いとペン習字の練習順を解説する記事のアイキャッチ

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ペン習字の練習を始めようとして、お手本に楷書と行書の2種類があって迷っていませんか。『見比べても、何がどう違うのかがはっきりしない』という方も多いはずです。

結論から言うと、楷書と行書の違いは、点画が「つながる・省かれる・形が変わる」の3つで見ると分かりやすくなります。この記事では、その見分け方と、ペン習字でどちらから練習するといいかが分かります。

目次

楷書と行書の違いは「点画の書き方」

先に結論

楷書は一画ずつ区切って書く書体で、行書は点画がつながったり省かれたりする書体です。
行書をさらに大きく省き、形を変えたものが草書です。

楷書と行書は、どちらも同じ漢字やひらがなを書くための書き方ですよね。

違うのは、一画一画をどう書くかなんです。

書体書き方読みやすさの目安書く速さの目安
楷書一画ずつ区切って書く誰にでも読みやすいゆっくり
行書点画がつながったり、省かれたりする慣れた人なら読みやすい楷書より速い
草書さらに大きく省き、形も変える読むのに慣れが必要速い

学校の書写で習う字の多くは、楷書です。

ふだん私たちが急いでメモを書く時の字は、自然と行書に近い書き方になっていることもあります。

ペン習字の全体像は、ペン習字とは?で紹介しています。

行書は「楷書を崩した字」ではない

『行書って、楷書を適当に崩した字のこと?』と思われがちですよね。

実は、行書にはつながり方や省き方の決まった型があります。

自己流で崩した字と行書が違うのは、この型に沿っているかどうかなんです。

草書は今回の練習の対象外でも大丈夫

草書は省き方が大きく、読む人にも慣れが必要な書体です。
ペン習字で日常の字を整えるなら、まずは楷書と行書の2つを押さえておけば十分です。

同じ字で見比べる:つながる・省く・形が変わる

先に結論

楷書から行書への変化は、「つながる」「省く」「形が変わる」の3つに分けられます。
行書のお手本を見る時は、どの変化が起きているかを探すと、書き方が分かりやすくなります。

お手本の行書を見ても、どこを真似すればいいか分からない、ということはありませんか。

そこで、楷書から行書になる時の変化を3つに分けてみました。

楷書から行書になる時の変化を、つながる・省く・形が変わるの3つに分けた図解
変化どういう変化か見られやすい例書く時のポイントの目安
つながる一画の終わりから次の画へ、細い線で続く「三」の横画どうし、「口」の画つなぎの線は細く軽く書く
省く点や画の一部が短くなったり、まとまったりするさんずいの点、ごんべんの横画省いても字の骨組みは残す
形が変わる点の向きや線の曲がり方、筆順が変わるくさかんむり、「心」の点お手本の筆順を確かめてから書く

例えば「三」は、楷書なら3本の横画を一本ずつ止めて書きます。

行書では、一本目の終わりから二本目の始まりへ、ペン先が細い線でつながることがあります。

つながる変化は「線の流れ」を見る

つながる変化で大事なのは、つなぎの線を太く書かないことです。

つなぎの線が本来の画と同じ太さだと、画が1本増えたように見えてしまいます。

ペン習字では、つなぎの線は力を抜いて、ペン先を紙から浮かせかけるように軽く書くのが目安です。

省く変化は「骨組み」を残す

さんずいの3つの点がつながって2画のように見えたり、ごんべんの横画が短くまとまったりするのが、省く変化です。

ただ、省きすぎると、何の字か分からなくなってしまいます。

省くのは点や短い画の一部だけで、字の骨組みになる長い画は残す、と覚えておきましょう。

形が変わる変化は筆順にも気をつける

行書では、点の向きや線の曲がり方が変わるだけでなく、筆順が楷書と違う字もあります。

くさかんむりなどがよく例に挙がるので、行書を書く時はお手本の筆順を一度確かめてみてください。

ひらがなも行書になると変わる

楷書と行書の違いは、漢字だけの話ではありません。

ひらがなも、行書の文章の中では、前の字の終わりから次の字の始まりへ流れるように書かれることがあります。

例えば「ありがとう」の「り」は、楷書なら2画を離して書きますが、行書では2画目へ軽くつながることがあります。

ひらがなが漢字の行書になじむと、文章全体の流れがそろって見えるんです。

行書のお手本を見る時のチェック
  • つなぎの細い線がどこにあるか
  • 楷書と比べて、どの点や画が省かれているか
  • 点の向きや筆順が、楷書と違うところはないか
  • 字の骨組みになる長い画が残っているか

ペン習字は楷書と行書のどちらから練習する?

先に結論

ペン習字は、楷書から練習を始めるのが一般的です。
楷書で字の形とバランスが身についてから行書に進むと、崩れにくい行書になります。

『早く書けるようになりたいから、行書から始めたい』という方もいますよね。

その気持ちは自然です。

ただ、多くの講座や教材は、楷書から始めて行書へ進む順番になっています。

例えば、パイロットのペン習字通信講座は初級を楷書から始め、段階的に行書・草書へ進むと案内されています。

講座の内容はパイロットのペン習字通信講座とは?で紹介しています。

楷書から始めると良い理由

行書は、楷書の点画をつなげたり省いたりした書き方です。

元になる楷書の形があいまいなままだと、どこをつなげて、どこを省けばいいのかが決められません。

漢字の部品のバランスは、ペン習字の漢字でくわしく紹介しています。

楷書から行書へ進む流れの目安
  1. 楷書で、ひらがなと漢字の形とバランスを整える
  2. 楷書で、名前・住所など、よく書く字を安定させる
  3. 行書のお手本で、つながる・省く・形が変わるの3つを探す
  4. よく書く字から、行書で書いてみる
  5. 楷書と行書を並べて、骨組みが同じか確かめる

行書に進む目安

行書に進むタイミングは、楷書で書いた字がお手本と大きくずれなくなった頃が目安です。

自分で判断しにくい時は、同じ字を楷書で何回か書いて、形が毎回同じになるかを見てみてください。

毎回の形が安定していれば、行書に進む準備ができています。

行書で最初に練習したい字の選び方

行書に進んだら、いきなり難しい字に挑戦するより、画数の少ない字から始めるのがおすすめです。

「三」「口」「日」のように、つながる変化が分かりやすい字は、つなぎの線の感覚をつかむのに向いています。

慣れてきたら、さんずいやごんべんなど、省く変化がある字に進んでみてください。

楷書と行書は場面で使い分ける

先に結論

読み間違えられると困る書類は楷書、気持ちを伝える手紙やメモは行書も選べる、と考えると迷いません。
使い分けに迷った時は、楷書を選んでおけば読みにくくなることはありません。

楷書と行書は、どちらが正しいというものではありません。

場面によって、向いている書体が変わるんです。

書類・宛名・手紙・メモの場面ごとに楷書と行書の使い分けを示した図解
場面向いている書体の目安理由
役所や職場の書類・申込書楷書誰が読んでも読み間違えられないため
封筒やはがきの宛名楷書配達する人が読みやすいため
手紙やはがきの文面楷書・行書のどちらもやわらかく、流れのある印象を出せる
自分用のメモ行書速く書けるため
職場で共有するメモ楷書か、楷書に近い行書ほかの人も読むため

例えば手紙の場合、宛名は楷書で、文面は行書を交ぜて、のように使い分けることもできます。

よくある失敗

行書を覚えたばかりの頃は、書類にも行書を使いたくなりがちです。
数字や名前など、読み間違えられると困る部分だけは楷書で書いておくと安心です。

手紙で楷書と行書を交ぜる時のコツ

手紙の文面で行書を交ぜる時は、1通の中で書体の度合いをそろえるのが目安です。

前半は楷書、後半だけ急に行書、という書き方だと、途中で字の雰囲気が変わって見えてしまいます。

迷った時は、文面はやや楷書寄りの行書でそろえ、相手の名前と日付だけは楷書で書く、という形がまとまりやすいですよ。

ペン習字の目標として硬筆書写技能検定を考えている方は、硬筆書写技能検定とは?もあわせて読んでみてください。

楷書と行書を独学で練習する時、講座を使う時

先に結論

楷書も行書も、お手本があれば独学で始められます。
行書のつながりや省き方が自己流になっていないか不安な時は、添削で確かめてもらう方法もあります。

楷書の練習は、お手本を見ながら一画ずつ確かめていけるので、独学でも進めやすいです。

行書になると、つなぎの線の太さや省き方のように、自分では判断しにくいところが増えてきます。

独学で進めやすいこと
  • 楷書の形をお手本と見比べる
  • 行書のお手本で、3つの変化を探す
  • 楷書と行書を並べて書き比べる
独学で迷いやすいこと
  • 自分の行書が型に沿っているか分からない
  • つなぎの線が太くなっていても気づきにくい
  • 楷書の形が安定したかを判断しにくい

独学で行書を練習していると、こんなふうに迷うことがあります。

「お手本どおりにつなげたつもりなのに、なんだか読みにくい」
「どこまで省いていいのか、自分では決められない」

例えば四谷学院通信講座の55段階ボールペン字講座は、ひらがな・漢字のあとに実用文書・行書へ進むと案内されています。

添削課題は全18回、標準学習期間は3ヶ月です。受講料などは公式サイトや資料で確認しておきましょう。

自分の字の癖は、自分では気づきにくいものです。

添削のある講座の資料を一度見ておくと、独学で続けるか講座にするかを比べて決めやすくなります。

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楷書と行書の違いでよくある相談

先に結論

楷書・行書・草書の違いは、どれだけ点画をつなげて省くかの度合いで見ると分かりやすくなります。
行書のうまさは、つながりの自然さと骨組みの確かさで見ます。

ここでは、楷書と行書についてよく寄せられる相談を3つ取り上げます。

楷書・行書・草書の違いが、何度読んでもよく分からない

ほかの人の説明を読んでも違いがよく分からない、という相談はとても多いです。

結論から言うと、「一画ずつ区切るのが楷書、少しつなげて省くのが行書、大きく省いて形も変えるのが草書」と覚えておけば十分です。

つながりと省き方の度合いが、楷書から草書へ向かって大きくなっていく、と考えると覚えやすいですよ。

行書にもルールがあるの?うまい下手はどこで分かる?

楷書は見ればうまい下手が分かるけれど、行書はどこで判断するのか、という相談もあります。

行書にも、つながり方や省き方の型があります。

うまく見える行書は、つなぎの線が細く自然で、省いても字の骨組みがしっかり残っていることが多いです。

見るところ整って見える行書の目安
つなぎの線細く軽く、本来の画と区別がつく
省き方省いても何の字か読める
骨組み楷書と同じ位置に長い画がある

行書で書くと、楷書と筆順が違う字はある?

行書では楷書と筆順が変わる字があるのか、という相談もあります。

行書では、点画をつなげやすくするために、楷書と違う筆順で書く字があります。

自分の知っている筆順で書いてしまわず、行書のお手本の筆順をその都度確かめてみてください。

よくある質問

楷書と行書の違いを一言で言うと何ですか?

楷書は一画ずつ区切って書く書体で、行書は点画がつながったり省かれたりする書体です。

ペン習字は行書から始めてもいいですか?

楷書から始めるのが一般的です。楷書で字の形が安定してから行書に進むと、崩れにくい行書になります。

書類は楷書と行書のどちらで書けばいいですか?

役所や職場の書類、宛名など、読み間違えられると困るものは楷書で書くのが安心です。

行書を書くと読みにくいと言われます。

つなぎの線が太くなっていたり、省きすぎて骨組みが消えていたりすることが多いです。つなぎの線を細く軽くし、長い画を楷書と同じ位置に残すと読みやすくなります。

行書の練習は、どの字から始めればいいですか?

名前や住所など、ふだんよく書く字から始めるのがおすすめです。楷書と並べて書き、骨組みが同じかを確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 楷書は一画ずつ区切って書き、行書は点画がつながったり省かれたりする
  • 楷書から行書への変化は、つながる・省く・形が変わるの3つで見る
  • ペン習字は楷書から始め、形が安定してから行書へ進むのが一般的
  • 書類や宛名は楷書、手紙の文面やメモは行書も選べる
  • 行書が自己流になっていないか不安な時は、添削のある講座も選択肢になる

まずは今日、自分の名前を楷書で書き、お手本の行書と並べて、3つの変化を探してみてください。

ペン習字ガイド

ペン習字ガイド 編集部

大人のペン習字の始め方、ひらがな・漢字・数字の書き方、ボールペン・万年筆・筆ペンの選び方、独学と通信講座での学び方、硬筆書写技能検定までを整理しているペン習字の情報サイトです。 公式サイト

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